カード保険・税金還付

国民健康保険

日本で国民健康保険に加入している場合には、チェンマイでの医療費も給付の対象となります。現金またはクレジットカードで支払った上で、還付請求をすることになります。ただし、一部の市町村では、海外長期滞在者への還付請求を制限していることがあります。

日本とタイとでは医療費の計算の体系が異なるので、日本で保険診療を受けた場合よりも還付率は低くなります。特に歯科の場合には還付率が低くなることが多いようです。

日本語通訳のいる病院では、還付請求をするための書類作成の手伝いをしてくれます。

カード保険

カード一覧

クレジットカードの中には、海外旅行傷害保険が付帯しているものが少なくありません。

保険の条件にはいくつかのパターンがありますが、「自動付帯」と「現地利用付帯」を組み合わせると便利です。

「自動付帯」のカードは次のサイトで紹介されています。

https://choro.asia/creditcard.htm#riyoufutai

「現地利用付帯」のカードは次のサイトで、「利用付帯裏技」として紹介されています。

https://choro.asia/hoken/90ijou.htm

なお、保険を利用するにあたっては、事前にご自身でご確認ください。

カード保険の給付内容

保険が適用される期間(保険期間)

ほとんどのカードは、90日か3ヶ月です。

 例) 2022年6月30日が出国日のときの保険期間

   90日・・・9月27日まで

   3ヶ月・・・9月30日まで

カード保険の補償内容

(1)事故死・後遺症

海外旅行中(日本出国の前日から入国の翌日まで)に発生した偶然の事故によってケガにあい、事故の当日から数えて180日以内にそのケガが原因で死亡もしくは後遺障害が生じた場合。

 病気での死亡は対象外で、補償されません。

(2)ケガ・病気治療費

①治療・入院費用 ②入院・通院のための交通費 ③入院のため必要となった国際通信費・身の回り品購入費(20万円程度が限度)

カード保険の使えるのは、病気(歯科を除く)またはケガの原因がカードの保険期間のものに限ります。持病や日本にいるときの病気・ケガが悪化したものは対象外です。

ケガは保険期間終了までに、病気の場合は保険期間終了の72時間以内(デング熱等の感染症は30日以内)に医師の治療を受けたとき、補償の対象になります。この期間内に治療を始めれば、最初の治療日から180日以内に要した費用が全額補償されます。ただし、保険の限度額までです。

治療が長くなりそうで、日本に帰ることが可能なら、治療を日本の病院に引き継ぐことをお勧めします。このとき、日本に帰るための航空券等の旅費が補償されます。また、日本での治療では、高い日本の入院個室料、食費、入退院のための交通費、退院後の通院費等、治療に関わる自己負担金が全額補償されます。国保に加入すれば、長期の入院でも、限度額内に収まるのではないでしょうか。

保険期間中に帰国し、チェンマイでの原因の病気が発病したときは、日本に入国した翌日までが保険期間ですから、帰国して3日以内(デング熱等の感染症は30日以内)に、病院の診察をうければ、補償対象になります。

(3)賠償責任

海外旅行中に偶然の事故で他人にケガをさせたり(対人)、他人の物を壊したりして(対物)、法律上の賠償責任を負ってしまった場合に補償されます。

 ・ホテル・コンドの部屋ならびに部屋内の動産(本人の所有する動産は対象外)

 ・車の事故は対象外。

(4)携行品(盗難・破損)

海外旅行中に偶然の事故で本人が所有かつ携行する物が盗まれたり壊れた場合。

 ・置き忘れ、紛失は対象外。

 ・借り物、預かり物は対象外。

現金・クレジットカード・その他の有価証券・入れ歯・自動車・オートバイ等は対象外。

パスポートについては、再取得費用または渡航書の取得費用として、領事館に行く交通費と再発行手数料および通信費を1回のつき5万円程度が限度。

(5)救援者費用

以下の場合に、捜索救助費用や知人(家族など)が現地(海外)へ行くための費用(3名まで)と現地でのホテル代(1名につき14日分まで)、現地からの移送費用、遺体処理費用、諸雑費などが補償されます。

 ・事故で遭難もしくは行方不明になった場合(生死が確認できた後に発生した費用は対象外)

 ・ケガで180日以内に死亡した場合

 ・病気で死亡した場合

 ・ケガ・病気で医師の治療を受けてから7日間以上継続して入院した場合

(6)買物保険

正式名称は「動産総合保険」。

クレジットカードで購入した商品が、購入から90日以内(180日のカードもあります)に、盗まれたり壊れた場合。

他人にプレゼントした物でも補償されます。

カードを複数枚もっているときの補償額

事故死・後遺症は、一番多いカードの額が限度で、合算されません。それ以外は、合算されます。

申請は1つのカードへの手続きですみます。申請の書類に、他に持っているカードを書く欄がありますから、そのとき有効なカードをすべて書きます。

保険金は、合算された補償額を限度に、実際にかかった費用を、それぞれのカード会社が按分(申請者がそれにかかわることはありません)して負担し、請求手続きをしたカード会社から全額支払われます。

自動付帯と利用付帯

 クレジットカードに付いている海外旅行傷害保険には、大きく分けて、「自動付帯」と「利用付帯」の2種類があります。

(1)自動付帯

カードで航空券等の支払いをしなくても、カードを持っているだけで、日本を出国してから90日間、または3ヶ月間の保険が自動的に付くものです。

(2)利用付帯

海外旅行のための公共交通機関(航空券はもちろんのこと、空港までのリムジンバスだけでも可)やパッケージ・ツアーの代金をカードで支払ったときに保険が付くものです。

「利用付帯」のカードには、次の2種類(便宜上、「普通利用付帯」と「現地利用付帯」と呼ぶことにします)があります。

①「普通利用付帯カード」

日本を出国する前に利用することを条件にしているものです。日本を出国してから入国するまで、最大で90日間、または3ヶ月間の保険が付きます。

②「現地利用付帯カード」

日本を出国してからでも、現地で公共交通機関の料金を支払ったときに保険が付くカードです。その公共交通機関を利用する日ではなく、カードで料金を支払った翌日から90日間、または3ヶ月間の保険が付きます。

自動付帯のカードを持って、または普通利用付帯カードを使って、日本を出国し、そのカードの保険期間が終わる前日に「現地利用付帯カード」を使いますと、保険期間は連続して180日になります。

ただし、日本出発前に、今回の旅行の公共交通機関やパッケージ・ツアーの代金をこのカードで支払ったときは、①の「普通利用付帯」となり、②の「現地利用付帯カード」としては使えません。チェンマイに来てから、日本に帰る航空券の購入は「現地利用」になり、保険期間を延ばせますが、次にチェンマイに来るときの航空券購入に使いますと、「現地利用」ではなく、「普通利用」としての利用付帯になりますから、今回の保険期間は延びませんし、次回チェンマイでの「現地利用付帯カード」としても使えなくなります。

カードは1旅行につき1回しか使えません。

もう一枚、別の「現地利用付帯カード」があれば、更に90日間延長して、保険期間を合計270日まで延ばすことができます。「自動付帯」と3種類の「現地利用付帯」があれば、1年間をカード保険でカバーできることになります。

キャシュレス診療

ほとんどのカードはキャシュレス診療に対応していますが、「キャシュレス不可」のカードもあります。

「キャシュレス不可」の場合は、治療費をいったん自己負担して支払い、日本に帰ってから請求することになり、手続きも面倒です。

「キャシュレス可」のカードを選びましょう。

お勧めカード

チェンマイでロングステイするにあったって必要な補償内容と金額は、ケガと病気の「傷害・疾病治療費用」が100万円以上あることだと思います。

現時点でのお勧めカードは、自動付帯の「エポスカード」(年会費無料、ケガ200万円・病気270万円)と「現地利用付帯」の「リクルートカード」(年会費無料、ケガ・病気100万)です。


「リクルートカード」には、VISA・マスターとJCBの3種類があります。

VISA・マスターは発行元が同じですので、どちらか一方しか発行できませんが、JCBは発行元が異なるため、もう1枚発行してもらえます。これで「現地利用付帯カード」が2枚できます。

ご夫婦でチェンマイに来られている方は、VISA・マスターの本カードをそれぞれ取得し、更にそれぞれの家族カードを作って下さい。そうすると、本カードと家族カードは別のカードとして使えますから、これで2種類の「現地利用付帯カード」ができます。JCBと合わせますと、リクルートカードだけで3枚の「現地利用付帯カード」ができます。なお、JCBは、家族カードを作っても、VISA・マスターのように2種類の「現地利用付帯カード」としては使えません。


 自動付帯の「エポスカード」と3枚の「リクルートカード」を持って日本を出発すれば、1年間を、すべて年会費無料のカードでカバーできることになります。


  リクルートカードだけで補償期間を1年間に延長しますと、延長期間のケガ・病気の補償は100万円です。この金額では少し不安と思われる方には、「セディナカードクラシック」(年会費1,100円、ケガ・病気100万)の追加がお勧めです。

このカードは、VISA、マスター、JCBの3枚発行が可能で、3種類の「現地利用付帯カード」として使えます。


1人でエポス、リクルート、セディナの合計7枚のカードを持つことになりますが、3,300円の負担で200万円のケガ・病気の補償を1年間つけることができます。チェンマイでは、200万円あればまず安心です。

カード発行

カード発行の条件は、安定した収入(年金等。キャッシングを利用しなければ所得証明は不要)があって、次の条件を満たしいることです。

  ①郵便が届く日本の住所

  ②住所を証明できる身分証 (運転免許証、パスポート等)

  ③本人名義の銀行口座

  ④本人が受けられる日本の電話番号

以上のことがすべてそろっていることを確認してから、カード発行の手続きをはじめて下さい。


《 エポスカード 》

①マルイの店舗で申し込む

マルイの店舗(11:00~20:30)の「エポスカードセンター」に、身分証と銀行のキャシュッカードを持って行けば、その場で発行してくれます。マルイの店舗は関東だけでなく、近畿・九州にもあります。ネットのマルイ店舗一覧で確認してみて下さい。

②ネットで申し込む

パソコンのネットで「エポスカード」を検索すれば、カードの申し込みのできるホームページがひらけます。また、スマホのアプリ「エポスカード」からも簡単に申し込みができます。

ネットで申し込むと、早ければ当日、遅くても翌営業日に審査結果のメールが届きます。

ネットで申し込んで、受け取りをマルイの店舗にすれば、店舗に直接行くより待ち時間がなく、即受け取りが可能です。近くにマルイの店舗がなく、配達の場合は、佐川急便(受取人確認配達サービス)か日本郵便(本人限定受取郵便)で、早ければ3営業日、遅くても1週間程で届きますが、本人しか受け取れません。


《 リクルートカード 》

まず最初に、リクルートIDを取得して下さい。リクルートカードのホームページから登録できます。ID作成は10分程度で終わりますから、引き続きカードの申し込み手続きをネットでします。このとき、「キャッシングご利用可能枠」を「0円」に設定して下さい。審査が簡単になり、カードの発行が早くなります。

申し込みからカードの発行までの期間は、VISA・マスターは、オンラインで引き落とし口座の設定ができるので1週間程度、JCBはそれができないので2週間程度かかります。

家族カードは、本カードが発行されてからWEBで書類を請求し、郵送で申し込みますから、カードが届くまで1~2週間かかると思います。

VISA・マスターの申し込みで、オンラインで引き落とし口座の設定をすれば、カードは簡易書留で届きます。住所に家族の方がいらっしゃれば、本人以外でも受け取れますから、帰国の前にWEBから申し込みをすませて、本カードをご家族の方に受け取ってもらっておけが、短期間の帰国でも家族カードの発行が可能だと思います。

ご家族の方がいないときは、郵便物の保管期間は7日ですから、帰国の10日程前にWEBから申し込みをすませておき、帰国後、郵便局で受け取る方法も考えられます。

ケガ・病気で、キャッシュレス診療を受けるためには

病気や事故のときの緊急連絡先の電話番号を確認して下さい。カードに付いている保険会社の連絡先(24時間・年中無休)が、日本の電話番号の他に、滞在先の地域別に電話番号が記載されていることが多いです。タイの連絡先を携帯に登録しておきましょう。


引受保険会社の電話番号 (24時間・日本語対応)

エポスカード 001-800-814-5147 (三井住友海上)

リクルートカード 001-800-814-5141 (損保ジャパン)

セディナカードクラシック 001-800-814-5245 (三井住友海上)


病院に行く前に、連絡先に電話をして、カード保険が使えることの確認をとって下さい。「自動付帯カード」なら、カード番号と名前、日本を出国した日と病気の原因または事故のあった日を答えるだけで保険が使えるかどうか即答してくれます。「利用付帯カード」のときは、保険が使える条件でカードを利用していることの確認がとれるまで若干時間がかかります。

カード保険の使える確認がとれて、希望の病院名(なければ保険会社が紹介してくれます)を告げますと、その病院が保険会社のキャシュレスに対応していれば、病院の予約とキャシュレスの手続きをしてくれます。必要なら、救急車の手配もしてくれます。

保険会社から、病院の予約ができたとの連絡をうけてから、病院には、パスポートとカードを忘れずに持って行って下さい。

 リクルートカードは確認に時間がかかりますので、事前に確認をとっておくといいです。

 リクルートカードを利用したら、損保ジャパン(001-800-814-5141) に電話し、カード保険が有効になっていることの確認を依頼します。VISA・マスターも JCB も、同じこの番号に電話します。返事は、翌日になります。この確認が済んでいますと、病院の予約がすぐにできます。

チェンマイで「現地利用付帯カード」の利用

チェンマイでカードの使える公共交通機関は、飛行機以外では、タイ国鉄とバスの切符だけです。


タイ国鉄の切符は、2013年1月以降、ネットでの購入が出来なくなっていましたが、2017年2月からネット(e-TSRT)での購入 が再開されました。

2020年12月18日からは、オンライン発券・予約サービス「Dチケット(D–Ticket)」に変わりました。

ネット予約できるのは、座席指定のある列車に限られていますが、JCBが使えます。チェンマイでJCBの使える公共交通機関はタイ国鉄だけだと思います。

  タイ国鉄は、乗車区間によって、予約可能日が定められています。

  (ネット予約の可能日と区間)

遠距離(59%以上)は、90日前から。

 中距離(25%~59%) は、30日前から。

近距離(25%以下)は、1日前から。

 チェンマイ~バンコクは、751 km。59%は、443.1 kmですから、454 kmのBang Mun Nak駅から先は90日前から予約可能。25%は、187.8 kmですから、188 kmのBan Pin 駅から先が30日前から予約可能です。それより近い駅は、乗車の前日にならないと予約できません。


バスでは、グリーンバスの切符がネットで買えます。全席座席指定で、90日前から、全区間予約できます。使えるカードはVISAとマスターだけでです。

「現地利用付帯」が複数枚あれば、行きと帰りをそれぞれ別のカードで予約しますと、ケガ・病気の補償金額は合算されますから、リクルートカード2枚だと200万円になります。


「利用付帯カード」を使用したときは、必ずその控えをカードと一緒に保管しておいて下さい。カード保険を使うとき、使用確認に必要なことがあります。

税金還付

制度の概要

タイでは、銀行預金金利の15%が源泉徴収されます。

年間20000バーツまでの金利については税金が還付されます。20000バーツの15%なので、3000バーツになります。過去3年分まで還付請求できますので、最大で9000バーツとなります。

手続きの流れ